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生命科学者からみた「サムシング・グレート」の世界 村上和雄 連載 ⑪

  • 執筆者の写真: 心と遺伝子アカデミー
    心と遺伝子アカデミー
  • 7月10日
  • 読了時間: 2分

3章 遺伝子と魂の関係


.     魂はサムシング・グレートに由来


 次に、一般的な問題として遺伝子と魂はどういう関係があるのか考えてみる。

遺伝子は身体の設計図であり、細胞の日々の活動に関与し、さらには、病気の発症に関係している。そのための物質レベルの情報をDNAは持っている。


 しかし、命はDNAによって支配されていないのだ。遺伝子は単なる設計図にすぎない。この設計図通りに材料を集め、エネルギー(ATP)を使って細胞を作っていく建設業者が必要なのだ。その建設業者に相当するもの、人間を超えた大いなるものを、私はサムシング・グレートと名付けている。そもそも、すべての生物のDNAを書いたのもサムシング・グレートだ。


 そうすると、大きな問題が残る。魂はどこから来たのだろうか。魂という言葉は、宗教的世界から出たものだが「三つ子の魂百まで」といわれているように、一般にもよく使われる。しかし、「三つ子の心百まで」とはいわない。ころころと心は変わるが、魂は不動な性質があるようだ。


 私は、魂はサムシング・グレートと関係していて、サムシング・グレートから出ているのではないかと考えている。サムシング・グレートは、すべての生き物の元の親のようなものであり、いまも身体の中で働いている存在だ。だから、私たちの身体だけでなく、魂もサムシング・グレート由来だと思う。これは、先人の偉大な思想に基づいた私の大いなる仮説だ。


 仮説というと軽くあしらう人がいるが、科学のほとんどが仮説なのだ。科学は、現在わかっている事実に基づいて論理を組み立てる。新しい事実が見つかれば、結論は変わる。つまり、Aという仮説がBに変われば、結果もA’ではなく、 B’という 別の結論になることがあるのだ。


 科学はこれまで、客観的事実を非常に大切にしてきた。しかし、現代物理学の教えによれば、極微の原子や電子の世界には、全く客観的事実はないのだ。たとえば、電子を観察すれば、その観察そのものの影響を電子が受けて、電子の位置や運動を正確に決定することができないのだ。つまり、見れば見えなくなるのだ。


 「サムシング・グレートの存在」も「魂はサムシング・グレートに由来するという仮説」も現代の科学では証明できない。だから真実ではないとは言えないのだ。


出典: Spirituality as a Way: The Wisdom of Japan 2021


Photo by Shinya Ohira
Photo by Shinya Ohira

 
 
 

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