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チャレンジすること、目標を持つことも、遺伝子オンに有効な方法である。たとえ失敗しても、進んでやった場合は喜びや充実感が得られる。

  • 執筆者の写真: 心と遺伝子アカデミー
    心と遺伝子アカデミー
  • 1月6日
  • 読了時間: 5分

 脳は目標がないと動かない。朝、起きられないのは、起きてすぐするべき目標がないから。いくら眠くても友達との約束があるとか、遊びに行くときは、パッと目が覚めるものです。

 起きたくないのに起きなければならないとき、すぐ起きるコツは、行動を先にすることです。いちばんいいのは床を離れること。そうすれば脳活性が上がって目が覚める。脳はそういう仕組みになっているのです。

 いま述べたことは脳型コンピューターの研究をされていた理化学研究所脳科学総合センターの故・松本元さんから教わったことです。脳の活性化とは遺伝子学的にみれば、紛れもなくスイッチ・オンですから、この脳のメカニズムからも、チャレンジが遺伝子の有力な要因であることがわかります。—『遺伝子オンで生きる』


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 新しい年が始まり、「今年こそは!」と目標を立てた方も多いはずです。村上和雄先生が提唱されたように、私たちの思いは遺伝子をオンにする大きな力が秘められています。


 ところが、いざ始めてみると「三日坊主」の壁にぶつかり、なかなか継続できない自分に落ち込んでしまう...そんな経験はないでしょうか。実は、せっかくの決心が続かないのには、脳の仕組みに基づいた明確な理由があります。

 なぜ、せっかくの決心は途絶えてしまうのか。その答えを、脳科学の視点から紐解いてみましょう。「やろう!」という決意が具体的な「行動」へと変わり、やがて「習慣」として定着するプロセスにおいて、私たちの脳内では一体どのような劇的な変化が起きているのでしょうか。


あなたの「やる気」を「習慣」に変える脳の魔法

 「明日から毎日ジョギングをしよう!」 そう決意したとき、私たちの脳内では壮大な「回路の架け替え工事」が始まります。なぜ最初はあんなに苦労するのに、一度身につくと歯磨きのように無意識にできてしまうのか。脳内では、側坐核と線条体の二つの脳部位、脳の肥料BDNF、という3つの主役が連携プレーを繰り広げているのです。


1. 打ち上げ花火を上げる「側坐核」

 新しい目標を立てたとき、脳内で真っ先に火がつくのが**側坐核(そくざかく)**です。 ここは「意欲の源泉」であり、報酬系と呼ばれるネットワークの重要拠点です。「これをやったら良いことがありそうだ」という未来への期待を感知します。


 私たちが「これをやれば、理想の自分になれる!」とワクワクするとき、側坐核からはドーパミンという快楽物質が放出されます。これがエンジンをかけるスターターとなり、「よし、やってみよう」という行動が引き出されます。ドーパミンはよく「快楽ホルモン」と呼ばれますが、正確には行動を開始させるためのエネルギーです。楽しいから出るのではなく、「動く価値がある」と脳が判断したときに分泌されます。

 しかし、側坐核は「新しい刺激」が大好きで、非常に飽きっぽいという性質も持っています。三日坊主で終わってしまうのは、あなたの意志が弱いからではなく、側坐核の打ち上げ花火が鎮火してしまっただけなのです。疲労やストレスが加わっても、すぐに消えてしまいます。


2. 回路を固める黄金の肥料「BDNF」

 側坐核が上げた火を、一時的なもので終わらせないために必要なのが**BDNF(脳由来神経栄養因子)**です。これは、脳細胞の成長や維持を助ける「脳の肥料」のようなタンパク質です。


 新しい行動を繰り返すと、脳内の特定の神経同士が手をつなごうとします。そこにBDNFが供給されると、そのつながり(シナプス)は太く、強固に補強されます。

 「最初は意識しないとできなかったこと」が、少しずつ「楽にこなせること」に変わっていく。この変化の裏では、BDNFがせっせと脳内の未舗装路をアスファルトで固め、高速道路へと作り変えているのです。

 行動を繰り返し、その過程で小さな達成感やポジティブな感情が生じると、BDNFの分泌が高まります。これは脳からのメッセージです。「この行動は、この人の人生にとって大事だから、残そう」こうして行動は、努力の対象から自分の一部へと変わっていきます。


3. ついに自動操縦が始まる「線条体」

 そして、習慣化のゴールテープを切るのが**線条体(せんじょうたい)**です。ここは、動作を「パッケージ化」して保存するストレージのような場所です。


 最初は「前頭葉(理性)」が、「ああして、次はこうして...」と必死に指令を出していますが、行動が繰り返されるうちに、その指令権は線条体へと移譲されます。 線条体が主導権を握ると、脳は「考える」というエネルギー消費を大幅にカットし、無意識に体を動かすようになります。これが習慣の完成です。


ポイント:脳は「省エネ」を求めている
脳は、全エネルギーの20%を消費する大食漢です。そのため、「意識して頑張る」というコストの高い状態を嫌い、できるだけ早く「無意識にできる(習慣)」という省エネモードに移行したがっています。

まとめ

 最初に感じたワクワクが消えるのは、失敗ではありません。そこから2〜3週間、脳内ではBDNFがフル稼働して「意欲」を「確かな配線」へと作り変える大工事が行われているのです。

 側坐核が灯した火を、BDNFが確かな道へと固め、線条体が無意識の習慣へと昇華させる。このメカニズムを理解していれば、倦怠期さえも「脳が進化している証拠」だと、ワクワクと受け止められるでしょう。

 大切なのは、自分に「よくやった」と声をかけ、小さな達成感を意識することです。その喜びが遺伝子のスイッチをオンにし、ポジティブな回路を加速させ、さらなる「脳の肥料」を生み出します。

 あなたの脳は、あなたを成功させるために、今日も懸命に自らを書き換え、支えてくれているのです。


 
 
 

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